2007年9月27日木曜日

年金記録問題 : 第9回 年金記録問題検証委員会の座長会見録について(1)

年金記録問題検証委員会については、初回から議事要旨、座長会見録を見ていましたが、今までは、ガバナンス、コンプライアンスの記述が多く、コンピュータシステムについては断片的な記述しかなく、5000万件の浮いた年金データはコンピュータシステムの問題なのに、委員活動には疑問視していました。
9回の委員会の座長会見録を読み、初めてITゼネコン(NTTデータ、日立製作所)の責任問題が記載されましたね。

例えば、履歴管理の問題としては、
不備をどうしたのかを記録に残すのは、非常に初歩的なことであり、当時はそのような記録はあったはずだが、社会保険庁とシステム業者が両方ともその基本的な記録を残していないというのは、おかしいことであり意外な感じがした。
年金記録管理の一貫性の観点から言えば、前のシステムから引き継ぐ問題点を当時どうしようとしたかが分からないと、手の打ちようがない


著作権の問題としは、
いわゆるレガシーシステムの著作権についても、専門的観点からの意見があった。
将来の日本年金機構の準備段階の話ではあるが、国として著作権に係る対応はきちんとし、年金記録の管理に支障がないようにしていただきたいという意見があった。
また、一部のシステム業者がかなり独占的に社会保険庁のシステムを開発・管理してきたということであ
るが、これにはプラス面とマイナス面があると思うので、当委員会としては年金記録にどう影響したかという視点から整理したい。この整理は将来の日本年金機構との関係でも有意義ではないか


質疑応答では、
”《主な質疑応答》
○ オンライン化切替時の不備データの問題について、社会保険庁とNTTデータの双方に当時の記録がないとうことは、企業側にも責任があるということか。
→ 委員会でも議論があったところだが、今後、更に詰めていく。最終的な結論を申し上げられる段階ではないが、データがないという問題は、担当業者としても持つべき資料もあるのではないかという視点からすれば、責任は免れないのではないか。


○ 5,000 万件の年金記録のうち氏名等が記載されていない524 万件について、コンピューター上、数時間で出せるというのは、社会保険庁が言っているのか。
→ 氏名がないデータを表す表示(フラグ)が埋め込まれているため、これをオンライン上はじき出すのは数時間程度で可能という意見が、システムワーキンググループの専門家からあったということ。この程度で判明するのであれば、5,000 万件の中身についてもっと早い段階で分析し、国民に開示、説明すべきだったのではないかとの意見もあった。余談だが、なぜこれを埋め込んだのかという経緯を示す記録は、社会保険
庁にもNTTデータにもなく、たどりようがない。

○ 企業の責任として、NTTデータについて言及されたが、日立についてはどうか。
→ 両社からヒアリングをしており、年金記録の視点から、問題があるかどうか確認しているところ。


と記述されています。
履歴管理の問題、著作権問題、特定業者とのの独占的な開発・管理の問題も提起されています。
当方が問題視しているのは、ITゼネコンの問題です。
今後、検証委員会がどこまでITゼネコンの問題を追及できるか見守って行きたいと思っています。

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