総括 長妻議員に功労賞ですね。
2007年10月31日に発表された年金記録問題検証委員会の最終報告書を一読しましたが、検証委員会の責務は、年金記録問題発生の経緯、原因、責任の所在等についての調査・検証であり、問題の発生経緯、原因はそれなりに報告されており、責任問題には、直接な責任と間接的な責任と大別し、間接な責任である組織の問題を最大の責任と結論の展開は、要旨としては理解できます。
ただ、報告書を一読して、長期間に渡り、組織が黙認なり、記録の正確性を軽視してきた背景には、やはり、システムの実態を理解なり、理解する努力を意図的に回避し、治外法権の世界がより形成されてきたという背景があります。
今日のレガシーシステムを営営と運用してきた経緯は、社会保険庁の現場をITゼネコンが当初は、より良いシステムを現場と運命共同体で推進してきたと想像するが、ITゼネコンは利益第一であり、より顧客を囲い込みし、逃げれないように固定化し、将来性のある顧客にするのは自然であり、当然の民間企業の営業行為で当方もそれは理解できます。
ただ、私憤は、常識を逸脱した金額であり、システム内容であり、官民癒着構造であること事実です。
今日の年金記録問題は、社会保険庁を含み厚生労働省とITゼネコンの共同責任であることは明白です。
報告書のいう間接的な原因の組織問題が最大の責任を結論づけているのか正解と思います。
しかしながら、システム開発事業者には、原始データの不備を知りながらシステム開発のドキュメント管理されていないという論点で責任の一端があると表現ですが、その程度の問題ではなく、要求仕様の対価と成果物と運営管理支援はシステム開発者も共同責任があります。
それだけの暗黙の対価を支払っているのがこの世界の常識です。
報告書でインパクトが弱いのは、金額が横領事案だけで、システムに関係する部分が一切ないことですね。
世の中、パワーゲームですので、もう2010年の次期システムで事業者は確定しておりますね。
多分、ITゼネコンは、美味しい商売をするでしょうね。
個人的には、地味な活動で年金記録問題を顕在化させた民主党の長妻議員に功労賞を授けたいですね。
付記
① 「片山さつき氏発言」に触発され,社会保険業務の業務・システム最適化計画を熟読した
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070828/280573/?ST=watcher&P=1
② ITから見た年金問題考察(1)
COBOLや名寄せシステムの問題ではない
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070724/278095/
③ ITから見た年金問題考察(2)
私が社保庁プロジェクトのSEだったら?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070724/278096/
④ ITシステムから見た年金問題考察(3)
システム問題へのすり替えは策謀である
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070724/278106/
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