2008年2月16日土曜日

猪瀬直樹:道路特定財源についてのコラムの所感。

nikkei BPnet 2008年2月13日 コラム 猪瀬直樹の「眼からウロコ」 「道路特定財源でつくった宿舎の家賃、東京23区で1万円以下も」を読み、道路特定財源は全面的に見直しすべきと思いますね。

コラムには、
国土交通省は道路特定財源で整備している公務員宿舎について、新規着工予定の2棟の凍結を発表した。このような道路特定財源で整備する宿舎は全国に8000戸もある”とし、”全国の地方整備局の職員数は約2万人。このうち1万人がこのような国道事務所で働いている。国道建設に従事する職員の住宅を確保するためと言っても、1万人に対して8000戸ではほとんどの職員に割り当てがある計算である。”
と記述しています。
国会でも、職員向けに福祉厚生としてカラオケ、スポーツ器具などの購入、道路建設の啓蒙のミュジカル上演など無駄だと追求を受けていますが、猪瀬氏は余剰の宿舎の建設してうえで、その家賃の安さは驚きであると記述しています。

参考事例として、
 ”北海道札幌市中央区にある南二十条職員宿舎には、なんと1カ月の家賃793円の部屋が存在する。専有面積は約11㎡とやや狭めの1ルームだろうが、札幌駅から車で20分程度の立地である。
大宮国道事務所にある浦和寮には、約12㎡で月額1856円の部屋がある。ここもJR武蔵浦和駅まで徒歩5分以内の好立地だ。また品川区西大井に約21㎡で9219円の部屋がある。東京23区内で、1万円以下で部屋が借りられる

と記述しており、一部、リストをも記載しています。
宿舎問題は、建設が原則ではなく、保全費用がかからない住宅手当が妥当ですね。

猪瀬氏の見解では、”道路特定財源は徐々に一般財源化すればよい”としている。
その根拠として、
道路特定財源の年間税収は5兆6000円あるが、小泉内閣発足から毎年、公共事業は3%削減がつづいている。税収が変わらず、道路につかえる額が減っていけばお金が余るのはあたり前だ。”
とし、道路公団の民営化前、毎年3000億円ものお金が道路特定財源から利子補給金という名目で道路公団に対して補填しており、小泉首相は、2002年度からこの国費投入をやめ、こうして道路特定財源は自動車重量税額に相当する6000億円あまりが余剰となっており、阿部内閣では、5兆6000億円のうち1800億円を一般財源化したそうです。

猪瀬氏は、「道路特定財源は徐々に一般財源化していくのが適切だろう。」という見解で、暫定税率については、ソフトランデイングしながら一般財源化し、産業構造の改革を提起しています。同感ですね。
暫定税率を一気に廃止すると地方で失業問題が発生する”とし、”公共事業依存型の地方財政と雇用問題は、道路建設を減らしただけでは解決できないからだ。僕は建設業の農業への進出を勧めたい。しかし転換には時間がかかるのも事実なのである”と提案しています。

猪瀬氏が提起している”800兆円の借金大国が、少子高齢化社会を迎える現実で、道路特定財源は、無駄を省き、あまった部分は一般財源化して福祉や環境対策、そして借金返済にも使えるようにしなければならない。”という論調には賛成ですね。

政府与党は、まずは、無駄を省き、無用な施設は売却し、道路建設にも日本全体のインフラの観点から原則を明示し、建設に優先順位をつけるべきでしょうね。


付記
①nikkei BPnet コラム 2008年2月13日
 猪瀬直樹:道路特定財源でつくった宿舎の家賃、東京23区で1万円以下も
 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/inose/080212_28th/

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