2007年9月2日日曜日

年金記録問題 : ITゼネコンの存在

年金記録問題は、参議選挙も終わり、桝添厚労相がどのように取組されるか注目しています。
当方は、年金記録問題を、ITの側面から政治・経済・企業を考察したい思っています。
何故、今日まで、レガシーシステムが運用され、宙に浮いた年金データが5000万も存在したか?ITゼネコンの存在抜きには語れないと思っておりますので。

政府は総務省に年金記録問題検証委員会(座長:松尾邦弘前検事総長)http://www.soumu.go.jp/hyouka/nenkinmondai.html
を発足させ、年金記録問題発生の経緯、原因や責任の所在等についての調査・検証活動をしており、コンプライアンスと情報システムの側面から検証し、今秋に報告書を発表する予定で、内容を注目しています。

レガシーシステムという旧式システム(ホストコンピュータの集中処理)が情報システム分野で問題視された時期に、官公庁システムが典型的であり、特定少数の情報システムの大企業だけで官公庁分野では、歴史的棲み分けが継続されてき、建設分野のゼネコンと類似しており、特定少数の情報システム大企業をITゼネコンという呼び名を当時は言われ、その一端として
http://www.ric.co.jp/sol/contents/sol_0403/yabu0403.html
が参考になります。

官公庁システム分野でレガシーシステムが多く残ったのは、コンピュータビジネスの歴史的遺産です。
コンピュータシステムはカードパンチシステム(機械化)の計算機時代から、オンラインシステムに変遷して行きますが、当初は、大規模業務システムは、外資系コンピュータメーカー(IBMらのフレームメーカー)に、国産計算機メーカー(富士通、日立ら)は悪戦苦闘しており、政府も国産計算機メーカー育成の目的に、官公庁分野を国産計算機メーカーに優遇し、外資系企業を参入を制限してきました。
その後、IBMからの外圧で官公庁分野も外資系にも解放しましたが、特定業者が一部増えただけで官公庁システム分野を特定少数の情報システム大企業が、既存のユーザーに業務の継続性というたい(殺し)文句で、ユーザーを飼い殺して、自社の利益基盤を保持してきたのです。

コンピュータメーカーの営業の手腕は、如何に他社コンピュータ導入先を自社にリプレースするか自社コンピュータ導入先を他社からのリプレースを回避・防御させることであり、ソフトの著作権を保持していれば、他社へのリプレースの動きについては、現行の運用されたソフト内容(仕様)を開示しないというユーザーへ暗黙の恫喝となり、ユーザーにとっては新規メーカーでの開発のリスクを鑑み、現行システム機能の刷新しか選択せざるをえず、既存のメーカー離れができず、専門性といううたい文句もあり、それらが随意契約の温床となってきたのです。
そしていつしか、官公庁システム分野は国内メーカー育成がリプレース回避策として既存システムの刷新ということでレガシーシステムが現在まで特定メーカー間で水面下で棲み分けが形成され、営営と美味しい商売をしてきたと推察しています。その特定メーカーをITゼネコンと言われています。

社会保険庁システムは、その典型的パターンで、年金記録問題は、労働組合の現場レベルの業務遂行体質の次元ではなく、産官のトップレベルの構造的な次元と思っており、ITゼネコンは、経団連のメーバー企業であり、よって、年金記録検証委員会が原則、非公開にせざるをえないのではないかと憶測しています。

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